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20大司教話が違うんじゃ?
鍾乳石に囲まれたオルグに泉は洞窟に貫通させた天井の穴から陽の光が差し込んでそれは美しく輝いていた。
静かな水面はここで魔界の扉が開いたことなど嘘だったように静かに凪いでいる。
「あの、何か支度は?」
「ああ、あちらの青の湧き水で身を清めなさい。せっかく今、聖女服を着たばかりだがすまんな」
「とんでもありません」
アリシアは何のてらいもなくオルグの泉のすぐそばにある湧き水が出ている滝の前に立つ。
この湧き水は鍾乳石の中を通って上から流れ落ちている。
この水は聖水として日々の祈りや儀式のときにも使われているそれはありがたい聖水なのだ。
水の色は光が差し込むと青く光りとても神秘的でまるで神がそこにいらっしゃるのではと錯覚をおこしそうになる。
アリシアはそっと滝の中に脚を入れてゆっくり全身にその聖水を浴びる。
せっかくキレイにしてもらった髪も聖女服も濡れてしまったがそれでもこんこんと湧き出る水に頭から打たれると身が引き締まる思いがした。
確かに身を清められた気がするから不思議だ。
アリシアは両手を組んで祈る。
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