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「ですが、フィジェル様アリシアがそのような事をするはずが…私は彼女は幼いときから見守って来ましたが、決してそのようなことをするようなことはありません」
そう言ったのはこの神殿の大司教であるガイル・ホワティエ。彼も元公爵家の人間だが彼には神の力が宿っている。
だからとっても偉いんです。
「大司教いくらあなたでも証拠もあるんです。もう言い逃れは出来ないのではないですか?」
他の司教たちはフィジェルに丸め込まれているのだろう。
「そうです。大司教いくらあなたが庇ってもアリシアの罪は免れません」「そうだ「まったくだ」」
数人の司教が口々に声を上げた。
アリシアは悲痛な顔をしてうなだれてはいたがこれはチャンスなのではと思わず引く結んだ唇が緩むのをこらえきれない。
アリシアは内心で思う。
5歳の時に母が亡くなってずっと捕らわれの身同然で、もう、この国の為に尽くすことに疲れてるわよ。
あなた達がその気なら。ええ、いいのよ。私はすぐにでも止めるから!
でも、ここは真摯にな顔つきで…
アリシアは一度空気を吸い込み顔を上げる。
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