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「聖女の役目は国の繁栄を祈ること。私はそれを毎日一生懸命やってきました。それで私に責任があるとおっしゃるなら私はここを出て行くしかありませんわ」
真面目な顔でそう言うのはこれが精いっぱいだ。
それにしても私が悪いことをしたと思われるのは癪に障るけど…
「なんだ。わかってるじゃないか。散々金をふんだくったんだ。今すぐここから追い出してもいんだ!」
フィジェルはそう言ってアリシアを糾弾する。
アリシアは言い返しそうになってぎゅっと拳を握る。
宰相相手にしたらどんな目に合うか…自分は何も悪いことはしていないのに。
「でも、どうするんです?アリシアの仕事は誰が?」
別の司教が心配そうにつぶやいた。
「何を心配する必要が?聖女は我が娘のマイヤがいるではありませんか。司教何も心配するすることなどありません」
フィジェルは自信たっぷりにそう言って隣にいるマイヤを見た。
まるで、そうなんです。目に入れても痛くないんですとばかりに目を細めて。
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