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それにマイヤが聖女になればフィジェルがかなりの力を持つことになる。まあ実際、裏では宰相である彼がこの国を牛耳っているともいえるけど、国民は戦争が終わって貴族制度を解体して国民の為に土地を分け与え国の復興を成し遂げたルキアス国王を熱烈に支持しているから。
騎士隊の解体も国費の軽減のため。そのために私の仕事はうーんときつくなったのですけど。
そんな事は国民の知ることではない。
ルキアス国王は素晴らしい人だと言われ今のフィジェル宰相の影が薄いのが実情。
フィジェル宰相は貴族制度を復活させたいと思っているらしいからマイヤを聖女にしたいって思ってるわけよね。
ふーん。それでか。
アリシアは一人頷いた。
まあ、そんな事どうでもいいんだけど。
アリシアは他人事のようにマイヤを見た。
彼女はアリシアを目が合うとフンと顔を反らした。
まあ、あなたが私と変わってくれるならちょうどいいわ。あなたに努めればだけれど。
それにフィジェル元公爵と大司教はいつも仲が悪いのは今に始まった事ではないし…そんな事を思いながらまた首を垂れる。
ええ、いくらでも首くらい。
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