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それにしたって大司教。あなただって私を散々利用しているくせに。
アリシアはここに連れて来られてからずっと篭の鳥だった。大聖堂の奥深くに閉じ込められて自由に出歩くことも誰かと気軽に話す事も許されない。
何かあるたびに神の導きだとか神の望まれている事だとか…
もういい加減うんざり!
私だって少しくらい自由が欲しい。それにお役御免って言うならなおさらうれしい。こんな所すぐにでも出て行きたいんだから!
アリシアは思わず舌打ちしそうになる。
「では、しばらくアリシアは謹慎と言うことで、マイヤさんに加護のお祈りを任せてみてからと言うことにしてはいかがでしょう?マイヤさんもいきなりすべてを任されるというのも…お身体に無理がかかるやもしれませんし…いかがでしょうかフィジェル様?」
間を取って副司教がそう言った。
あくまでも国の宰相を務めるフィジェルのご機嫌おもんばかってのことだ。
「まあ、いいでしょう。アリシアも女性ですしいきなり追い出すなどとは少し言い過ぎました。何しろ行き先などの用意も必要でしょうから」
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