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その瞬間だった。魔界の扉がほんの少し開いた。
オルグの泉から二つの黒い塊が飛び出た。
その魔物は魔狼兄弟。
その魔狼の名前は兄がスコール弟がハーティ。
二匹は太陽と月を憎んでおりいつか太陽や月を捕まえて引きずりおろしてやりたいと願っていた。
マイヤはハッと我に返りドークに戻らせるように頼んだがもう遅かった。
「君が選んだんだ。もう手遅れさ」
ドークは口を大きく開いて笑った。
マイヤははっとして握っていたどす黒い暗黒の揺らぎを元の場所にもどした。そして大聖堂に駆け戻った。
「大司教様大変なんです」
マイヤは今起きたことを話した。
大司教はオルグの泉に行くとすぐに魔界の扉を閉じようとした。
その時だった。一つの魂がその扉に吸い込まれそうになる。
きっと今しがた命を落とした人間だろうとガイルは判断する。何も罪もないものが行くところではない。
そう思うとその魂に手のひらをかざす。
光がレールがその魂を包み込むと魂はあっという間にガイルの手の中に引き戻される。
そして急いで魔界の扉を押し戻した。
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