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一攫千金
「フフゥン、もしかしたら私も一攫千金のチャンスなのよ」
ピーチは車から降りながら微笑んだ。
「え、なんだよ。ピーチ姫。まさか、玉の輿にでも乗る気なのか?」
マックロードは訝しげな表情をした。
「フフゥン、ダーリンの養女になるかもしれないの」
「ダーリンの養女って?」
「真神ヒロシっていうおじいちゃまの、ねえェ」
「はァ真神天司……!」
「知ってるの?」
「ああァ、天を司どる真の神。それが真神天司だ!」
「ふぅん、でもおじいちゃまは病気で余命幾ばくもないんですって」
「余命幾ばくも……?」
「そ、だから全財産をくれるって言うのよ。あの世にお金を持っていけないでしょ」
「そうか。じゃァ、なにかあったらオレのトコへ連絡してくれ」
「わかったわ。じゃァ、マックロード先生。今度、怪人と闘って怪我したらリーズナブルに治療してね」
「フフゥン、いつだって、ピーチ姫から治療費なんてもらう気はないよ」
マックロードは笑顔で請け負ってくれた。
「サンキュ先生。だから好きィ!」
また桃乃ピーチはマックロードに抱きついて頬にキスをした。
「フフゥン、さすが売れっ子キャバ嬢だな。こんなことをされたら、男はみんなイチコロだろう」
マックロードも満更でもない様子だ。
「先生も今度、お店に来てね。ピーチ姫が、たっぷりサービスするからねえェ」
ピーチ姫は可愛らしくウインクをした。
「ああァ、その時は、よろしく頼むよ!」
こうしてマックロードもピーチ姫の沼に堕ちたようだ。
おしまい
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