囚われのヒロイン

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囚われのヒロイン

 悪の秘密結社ギルディアの放った(カニ)ギルディアにより、ジャスティス・ピンクは捕まって囚われの身になってしまった。  ここは都心から通勤快速で、一時間ほど離れた田無市(タムし)だ。  繁華街から程遠い通学路で悪の秘密結社が女子学生たちを(さら)おうとしているのを正義の味方(ジャスティスピンク)が阻止するため闘っていた。  だがギルディアの精鋭部隊の怪人に掛かってはジャスティス・ピンクでは明らかに力不足だ。  あっという間に怪人たちに逆襲され囚われの身になってしまった。   「キャー、やめてェーーーー」  またピンクの悲鳴が轟いた。  だが、通行人の学生たちはスマホで撮影しながら見ているだけだ。  助け出そうにも怪人が怖くて手出し出来ない。 『ゲッケケケェ、このピンクのコスチュームを切り裂いて、雪よりも白いオッパイをY○uTubeに晒してくれようかァ』  怪人、カニギルディアは大きなハサミを振り回してアピールした。 「おおォ!」観衆たちは身を乗り出した。  特に若い男子学生は心なしか腰を引いていた。  全員、自分たちのスマホで撮影していた。  ジャスティスピンクの巨乳に男子学生たちは夢中だ。  無理もない。思春期真っ只中の男子学生たちにとって、またとないオカズだろう。 「やめろォ。助けてェ。そんなことをしたらコンプライアンス違反よ!」 『ゲッケケケ、悔しいか。オレたち悪の秘密結社の怪人は、コンプライアンスなんか気にしないタイプだ!』  カニ怪人は高笑いし、大きなハサミでジャスティスピンクの胸の膨らみをなぞった。   「キャーーーーッもう許さないわ。この世にジャスティス・ピンクのいる限り、悪の栄えた試しはないのよ。覚えておきなさい。今すぐカニかまぼこにして差し上げるわ!」
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