ジャスティス・ブルー

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ジャスティス・ブルー

「卑怯なマネはよせ。カニ怪人!」  さすがのブルーもピンクを人質にされては容易に近づく事が出来ない。 『ゲッケケケ、ピンクは毎回、オレたちに捕まって(なぶ)られることになっているんだ。ざまあみろォ!』  怪人は言いたい放題だ。ピンクの目の前で大きなハサミを振り回した。 『ゲッケケケェッ』  今にもヨダレを垂らしそうな顔でピンクの頬へ寄せていった。 「キャー、よるなァ。触るなァ。顔を近づけるなァッ。生臭(なまクッセ)ェんだよォーーッ!」  またピンクは絶叫した。 「うっせェな。アワを吹くぞ」  なんとカニ怪人はブクブクとアワを吹き始めた。 「キャー、キモォーーい」  その時、野次馬に混ざっていた影の男が、黒い服を脱ぎ捨てカニ怪人へ飛びかかった。    一瞬の出来事だった。  不意討ちだ。 「ブラックサンダー!」  電光石火のパンチがカニ怪人の顔面に炸裂した。  まさに黒い稲妻だ。 『ブッキャァーーーン』  カニ怪人は文字通りアワを吹いて叩きのめされた。路面を派手に転がった。 「おおォーーーッ!」  周りの野次馬も驚きの歓声を上げた。  みんな、ブラックの勇姿をスマホで撮影しアップしていた。 「あ、あなたはジャスティス・ブラック!」  思わずピンクは叫んだ。 「おいおい、カニ怪人。そこでアワを吹いてないで目障りだから、とっととシッポを巻いて逃げな」  ジャスティス・ブラックは倒れているカニ怪人を指差して命じた。 『ぬウゥ、ジャスティスブラック。不意討ちとは卑怯だぞ。くっそォ!』  カニ怪人は減らず口を叩いた。  目からポロポロと涙が流れた。  完全に負け惜しみだ。
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