ジャスティスピンク

1/1
前へ
/12ページ
次へ

ジャスティスピンク

 ジャスティスピンクは変身を解くと桃乃ピーチになった。  彼女は売れっ子キャバ嬢だ。  キャバクラ店での源氏名は『ピーチ姫』で売上げはもちろんトップだ。    SNSの総フォロア数は数百万とも言われている。  彼女の予約客は数万人らしい。  もちろん何ヶ月も待たされる状態だ。    ブラックはピンクの正体を知っているがブルーは知らなかった。 「おい、ピンク。送って行くよ」  ジャスティス・ブラックことマックロードが車から声をかけた。  ブラックの正体は天才外科医の槇蔵人だ。  通称、マックロード。    『神の手を持つ外科医』と異名を取っていた。  金持ちたちに法外な治療費を請求する悪徳外科医として有名だ。  彼は真っ赤なフェラーリに乗っていた。 「ああァ、こんなにアザだらけだぜ。ッたくカニ怪人のヤローがァ。今度はカニかまぼこにしてやるぜェ!」  ピンクこと桃乃ピーチはフェラーリの助手席に乗りながら愚痴をこぼした。  知らないうちに手や太ももにアザができていた。 「フフゥン、オレの病院で赤チンでも塗っていくか?」   「冗談だろう。これから同伴なんだぜ。赤チンなんか塗ったら臭くて堪らねえェだろうが!」 「おいおい、まだ懲りずにキャバ嬢をやってるのか?」  ジャスティスブラックことマックロードは呆れた顔で苦笑いした。 「はァ、当たり前でしょ。どっかの悪徳外科医みたいに、一回のオペで1億も2億も貰えないんだから」  ピーチは暗にマックロードに皮肉を言った。 「おいおい、オレはセレブで金の余った老人からしか金は巻き上げないんだぜ。どうせ、あの世には金を持っていけないんだ。だったら有意義に使わないとな」 「そりゃァそうだけど。マックロード先生はその金を湯水のようにヲタ活で使うんじゃん。あれって有意義なの?」  不思議そうに聞き返した。 「フフゥン、もちろんさァ。オレはアイドルたちに還元してるんだよ」
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!

12人が本棚に入れています
本棚に追加