パニック

2/2

19人が本棚に入れています
本棚に追加
/2ページ
 ミキトはもう何をするべきか、考えられないみたい。無駄にシャワーとリビングを往復してる。 「良いから、まず連絡して謝りなさい」  メッセージでは、まどろっこしいらしく、電話を掛けた。♫〜⁉︎  聞き慣れた着信メロディーにフリーズするミキト。ユカちゃんがゆっくりと、ソファーから立ち上がり振り向いた。 「誰が般若の顔ですって」 「ギャー」  思わずスマフォと、パジャマのズボンを抱えて、ミキトは(うずくま)ってしまった。 「良いから。アンタのパンイチなんか、見慣れてるから。一緒にお庭でビニールプールで遊んだじゃ無い」    アワアワして動けないミキトの横をすり抜け、ユカちゃんはいつものように、テーブルに座った。 「おばちゃまが、お茶を淹れてくだささるって。戴いてるから、シャワー浴びて来ちゃえば?」 「あ、う、うん」 「貸しイチね」 「か、か、貸しぃ〜⁉︎」 「そうよ、お迎えに来てくれるって言うから待ってたのに、来ないんだもん。心配して来ちゃったじゃん」 「お、おう」 「今日のお昼のタリーズのパスタセット、ミキトの奢りね。よろしく。」  どうやら小学生の頃から、力関係は変わって無いみたい。  ひとまず、めでたしめでたし。  さあ二人が出掛けたら、ユカちゃんママを呼んで、お茶でも飲もっと。
/2ページ

最初のコメントを投稿しよう!

19人が本棚に入れています
本棚に追加