監督

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 監督というものはばかにできないもので、例えばプロ野球チームの監督が代わっただけでリーグ優勝するということはある。そしてそのチームが日本一になったりする。  音楽でもそれは言えてクラシックの交響楽団の音楽監督が優秀だと演奏も褒められることになるのだ。  そんなことを考えながら彼は仕事をしていた。「いかんいかん無駄なことを考え過ぎだ」と彼は思い仕事に集中した。  彼は市役所で福祉の仕事をしていた。そこに来るまでは児童館で働いていた。その児童館では野球チームを作り、児童館の利用者の小学生に野球を教えていた。彼はその野球チームの監督をしていたのだ。 「俊、これからはここでも監督になるのだな」上司は言った。 「そうですか? 照れますね」彼は答えた。 「誤解を恐れずに言うなら」 「何ですか?」 「やめておこう」 「どうしましたか?」 「セクハラになる」そう言ってその上司は俊から離れた。 「なんだろうな」彼はその上司が気味が悪かったのであった。
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