プロジェクト、発動

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「どんなイベントだろう?楽しみだな」 「具体的な内容は、どういったものですか?」 質問が出たから、僕はメモを読むだけじゃなくて考えながら、話し始めた。 「えっと、お互いの自己紹介をしたり、これまでしてきたことを話したり、お互いの好きな事や趣味について話し合ったりする時間を皆で過ごそうと思います」 僕が言い終わると皆はザワザワし始めた。 「学校みたいだな」 「子供が考えそうな事だ」 「我々のプロジェクトに相応しいのかどうか…」 なんか、あまり良い感じじゃない…。 僕が悲しくなって椅子に座ろうとした時、小川せんせぇが手を挙げた。 「私は賛成です。そうしたことを通じて、皆がより打ち解け、チームワークや結束力が高まると思います」 せんせぇに続いて違う人達も意見する。 「素敵な企画だと私も思います。私は自分の趣味について皆さんに紹介してみたいですね」 「俺も、みんなにこれまでの経験を話そうと思う」 「それに、お互いをより深く理解することで、コミュニケーションがより円滑になるかもしれませんね」 賛成してくれてる人達もいるんだ…。 僕は立ったままジーンとした。 チームリーダーさんが話しだす。 「そうですね、何事も基本が大切です。山村くんは、大人になると忘れがちな事も、しっかり解っているようですね。自分のことを話すこと、人の事を知ることはお互いの懸念を解決して、深い理解に繋がるでしょう。それには皆さんの積極的な参加と協力が、より良いチームワークの形成につながります。それでは、このイベントを採用します。イベントがスムーズに進行するよう、みんなで力を合わせて、素晴らしいイベントにしましょう!」
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