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山村先輩、危機一髪
皆の仕事が順調に進んでいる、そんなある日の事だった。
その日は、僕のプロジェクトは休みの日だった。
僕は久しぶりに基地の中を探検していた。
「〜♪〜♪〜♪…んっ?!」
突然、後ろから大きな手で口を塞がれたかと思ったら、僕の身体は軽々と持ち上げられた。
「んー!んんー!!」
僕はビックリして、ジタバタ暴れたけど、力じゃ相手の人に敵わない。
「大人しくしろ。大人しくしてたら、危害は加えない」
知らない男の人の声だ。
大人しくするように言われたのと、怖くて、僕はそのまま固まった。
男の人は、人が他にいないのもあって、僕の口を塞いだまま、身体を抱えると、誰もいない部屋に連れて行った。
怖い…!
怖いよう!!
保、助けて!!
僕はずっとそう思っていた。
男の人は、部屋に入ると、僕を壁際に座らせた。
「大きな声、出すなよ。出したら、これでお前の首を絞める」
男の人が取り出したのは、ロープだった。
そんなので首絞められたら死んじゃうよう!
僕は、怖くてオシッコが漏れそうになるのを我慢して、首を大きく縦に何度も振った。
「よし、動くな」
男の人は、もう一本のロープを出すと、僕の身体を逃げられないように縛った。
助けて!
助けて、保!!
僕はギュッと目をつぶって保の姿を思い浮かべた。
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