山村先輩、危機一髪

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男の人は、僕をロープで縛ると、しゃがんで目線の高さを僕に合わせた。 「目を開けろ。お前に訊きたいことがある」 訊きたいことって何だろう?? 僕は恐る恐る目を開けた。 男の人は、よく見ると見たことない人だった。 基地の中で暮らしてる人じゃないみたいだ。 「火星基地のセキュリティ情報やプロジェクトの進行状況、そして研究データや技術情報など、そういった機密情報のことだ。お前たちが研究しているテクノロジーや新技術に関する情報を寄越せ」 「???」 僕は男の人が言っている事がよくわかんなくて何も言えなかった。 わかんないって言ったら男の人は怒りそうなんだもん。 でも、僕が黙っていても、男の人は怒った。 「…外部に漏洩することは出来ないってか?仕方ない。少し痛い目に遭ってもらうぞ。言いたくなるようにな」 男の人の手が僕にのびる。 僕は怖くて声も出せない。 その時、部屋のドアが開いた。 「痛い目に遭うのは、あんたの方だ」 その声は保…! 姿は男の人の身体で見えなかったけど、声は僕が1番聞きたかった声だった。 「な…っ?!どうして、ここが?!」 男の人は僕に背中を向けて立ち上がった。 「ここのセキュリティ対策を甘くみてもらっちゃ困るな、火星人の犬。ソイツは俺の大事な仲間でもあるんでね。傷付けたら…殺すぞ」
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