保の謎

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保は早く忘れた方が良いって言ってくれたけど、僕は香澄ちゃんにも話して楽になりたかった。 「保が助けてくれたんだけどね…」 僕はそう言って、何があったか話し始めた。 「今日は、僕のプロジェクトは、休みの日なんだ。だから1人で基地を探検してたら…」 そこまで言ったら、あの男の人の大きな手の感触を思い出して、僕の目から涙がこぼれ落ちた。 「山村先輩?!ごめんね、私が話を訊こうとしたから…」 香澄ちゃんはビックリした様子でハンカチを差し出してくれた。 僕は受け取ったハンカチで涙を拭きながら、ブルブルと首を大きく横に振った。 「ゔゔん、僕が話を聞いてもらいたいんだ…」 僕はそう言って続きを話しだした。 「後ろからいきなり男の人に口を塞がれて、そのまま抱えられて誰もいない部屋に連れてかれて、身体をロープで縛られて…」 そこまで言うと香澄ちゃんは息を呑んだ。 僕、女の子に何て話してるんだろう…。 そう思っても僕は話を止められなかった。 「何か難しい事言われて…応えられなかったら、男の人が痛い目に遭わせるみたいなことを言っていて、そしたら保が来てくれたんだ…」 「良かった…千夜くんが間に合って…」 ホッとしたように胸を撫で下ろす香澄ちゃん。 でも僕は香澄ちゃんなら知ってるかと思って、気になる事を訊いてみた。
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