新たなる挑戦の始まり

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新たなる挑戦の始まり

鈴木くんは、隣に座る僕の背中に優しく手を当てて、「山村先輩の気持ちも痛い程、解りますけどね」と言ってくれた。 博士が言う。 「オレたちならきっと大丈夫!山村くんもいつもの元気を出して?オレ達と一緒に一歩一歩前に進んでいこう」 皆が僕を暖かい目で見ている。 僕は鼻をすすって思った。 皆が一緒なら、きっと乗り越えられる。 僕たちの絆が、未来への希望になるはずだ…と。 地球を元に戻す為に、火星を皆が住める星にすることにした。 でも、それには何年も掛かった。 数年後。 新たに建てられた火星基地で、僕と保、鈴木くん、香澄ちゃんの4人は、博士達と基地の中で暮らせるようになった。 そして成人した僕達4人は、ある日、博士から呼ばれた。 「皆!地球復興支援の一環として、ここ火星で研究と開発が進められる事になった!」 良かったあー! 僕達はまだ家族や友達に会えていなかったけど、もしかしたら地球を元の暮らせるとこに戻せるかもしれない! 僕達は一歩前に進めたんだ! 僕は思わず保に抱きついた。 「やったねー!保ー♡」 「ああ、そうだな…って、どさくさに紛れて何抱きついてんだ」 保は僕を引き剥がそうとするけど、僕は保の足にしがみついたまま離れない。 「山村先輩?私のお腹の中には千夜くんとの間の赤ちゃんが居るのよ?」
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