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でも、まさか保まで先輩に突き落とされたのかなぁ…?
でもでも!
保が僕みたいに頭や身体に怪我をしたり、入院したって話は聞いたことないし、見たこともない。
じゃあ、なんで鈴木くんは、先輩の名前を出したんだろう…??
鈴木くんも、汗で眼鏡が曇ってる。
火星の温度は高くないのに…。
「詳細までは僕も解りません。ですが、千夜くんと佐藤先輩の間に何かあったことは間違いないと思っています」
保と先輩の間にあった出来事…。
鈴木くんは、多分それが保を今でも苦しめてるって言いたいんだろうなぁ…。
「僕も香澄さん同様、千夜くんから話してくれるのを待っていますが…その時は、こないかもしれないと千夜くんを見ていて思います」
保は自分のお墓まで持っていくつもりなんだ…。
先輩との間にあった出来事を…。
「僕達に出来る事ってないのかな…」
僕はちょっと悲しくなった…。
「そうですね…。もしかしたら問題は僕達の憶測以上に根深いのかもしれません」
その時、部屋のドアが開いて話を僕も鈴木くんも止めた。
中に入って来たのは、さっき怒って部屋を出て行った保だった。
「鈴木…」「千夜くん…」
2人はお互いに同時に声を掛けた。
「千夜くんから話して下さい」
「鈴木…良いのか?」
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