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この事、早く保達にも知らせたいなぁ!
僕はウキウキしていた。
「いいえ、お礼には及びませんよ。今日はこれで解散しますが、同席者全員に後ほど私から通信機で詳細日程を送ります」
そして今日のプロジェクトは終わった。
皆が部屋を出て行く。
僕は小川せんせぇの所に行った。
「せんせぇ、会議の時は宜しくお願いします!」
「こちらこそ。話を忘れないように録音機を用意しておくと良いかもね」
やっぱり、せんせぇは頭が良いなぁ!
僕は録音機のことを忘れないようにメモしてから小川せんせぇと途中まで一緒に話しながら部屋に戻った。
部屋に戻ると保が僕に背中を向けて1人で窓から見える暗い景色を見ていた。
包帯が巻かれた片手が痛そうだ…。
僕に気付いた感じがしない。
ちょっとビックリさせたくなった僕は、そぉーっと保に近付いた。
そして、後ろから抱き着こうとした時、保が小さな声で言った。
「先輩…何で、あんなことしたんだ…」
えっ?!
先輩って、やっぱり鈴木くんが言っていた通りなのかな…。
僕があげ掛けた両腕を下ろすのと、保が振り返るのは、同じ瞬間だった。
「誰だ?!」
「ええっ?!ごめんなさい!!」
鉄砲をいきなり頭の上から向けられて僕の方がビックリしちゃった。
「…何だ、山村か」
保は僕のつむじを見ると鉄砲をしまった。
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