国際会議

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この人、日本人じゃなかったんだ! 僕はビックリして、カタコトの日本語を喋った張さんの顔を見つめた。 張さんは僕と目が合うとニコッと微笑んでくれた。 「張さん、ありがとうございます。まずは隕石衝突による地球の被害状況や環境課題について、各国の情報共有を行い、その結果、地球復興施策を協力して行っていくことが出来たという報告を得ています。皆さんからも何か有りましたらご報告をお願い申し上げます」 今度は白い肌をした金髪で青い目をした男の人がやっぱりカタコトの日本語で話しだした。 「滝谷さん、私はアメリカ代表のジョンです。地球の地下資源の枯渇や気候変動など、様々な課題も我々火星基地からの情報で解決しています。協力して持続可能な発展を遂げるための戦略を練った甲斐がありました」 質問する時間もあるけど、僕は何が解らないのかもわかんない。 録音はしてるから、後で部屋で鈴木くんか博士に訊こう。 2人なら小川せんせぇみたいに解り易く話してくれる筈だ。 「ジョンさん、ありがとうございます。地球帰還に向けた取り組みには、火星で培った持続可能なエネルギーの利用や環境再生、食糧安全保障など多岐にわたる方法があります。皆さんのご意見を踏まえ、共通の目標に向かって具体的な帰還計画を策定していきましょう」
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