国際会議

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そして最後にチームリーダーさんが手を挙げた。 「滝谷さん、私は日本代表の高澤(たかざわ)です。当基地内においてコミュニケーション改善プロジェクトのチームリーダーを務めております。私たちの経験や技術を活かし、地球帰還に貢献したいと考えております。技術交流や知識共有を通じて、持続可能な未来を築いていくことが重要かと思います」 何となくだけど、スムーズに会議が進んでる気がするー。 きっと僕達が地球に帰れるのは、もうすぐだ。 僕は会議の雰囲気から、そう思った。 「高澤さん、素晴らしい提案ですね。技術交流や知識共有を通じて、効率的な地球帰還施策を進めていけると確信しております。皆さん、国際協力による力強いチームワークで、地球の未来を共に切り拓いていきましょう」 そして、話し合いは地球に帰る日にちを予定して計画を立てていった。 質問の時間では鈴木くんも何か訊いていたけど、僕はボーッと保に見惚れてた。 保は先輩とのことを喋った時とは全然違って、鋭い目で部屋中を見渡している。 「山村くん、質問は無くても話は聞きましょうね?」 「あ…はーい」 小川せんせぇに小さな声で注意されて、僕は返事をした時に手まで挙げちゃった。 「はい、山村くん」
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