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鈴木くんはお辞儀をした。
「博士の指示は、かしこまりました。地熱エネルギーも重要ですね。暖房やエネルギー供給の効率化に役立つでしょう」
???
博士と鈴木くんが日本語じゃない言葉を喋っている。
(と思っているのは、山村先輩だけ)
「その通りだよ。キミの洞察力は頼もしいな」
博士が鈴木くんを褒めた。
でも、鈴木くんのお話はまだ終わっていなかった。
「後、未知の生態系を探索するのも僕達の大切な使命だと思います。地球の生態系を再生させるのも必要ですから。ですが、それでは寒冷化した火星では僕達人間には限界があります。そこで、火星探査ロボットの開発にも着手させて頂きたいです」
鈴木くん、凄い!
僕は開いた口が塞がらなかった。
でも、博士は、そんな鈴木くんの言った事に意見する。
「探査ロボットの開発段階には時間が掛かる。先に出来る限りで良いから、水資源の開発、地熱エネルギーの調査と活用を行い、その後に探査ロボットの開発に取り掛かるべきではないかな」
「かしこまりました。出過ぎた発言をお許しください」
怒った様子もなく、再び頭を下げる鈴木くん。
博士はフォローするように言った。
「鈴木くんの意見は充分、参考になったよ。頑張ってね!…それから千夜くん!」
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