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プロローグ
俺が生まれ育った家庭は、優しい両親と父方の祖母、そして俺の四人家族だった。
一人っ子の俺は、大切に育てられた。
父も一人っ子で、夫を早くに亡くした祖母が女手一つで懸命に育てたそうだ。
その可愛い息子を奪った母は、祖母にとっては嫉妬の対象であったらしく、母と祖母の間には小さな嫁姑の問題があったらしい。しかし俺が生まれ、その存在がうまく中和してくれていたと、後年母が語っていた。
仲の良い家族だったと思う。
そう、あの時までは──。
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