あとがき

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 以下、補足の解説です。  『奏人』は神様だった『葛城』が匠海の願いによって人の体を得た存在です。  『葛城』としての記憶も自我もありますが、それは現世のルールとしてあってはならないことなので隠して、人として円滑に生きていくための人格『奏人』として振る舞っています。匠海にも対しても同じです。 (詳しくは『空っぽの部屋で君を待つ』のスタ特『僕らの夏休み』の終盤からあとがきに書かせて頂いております)  神様は人にはない力がある反面、制約も多い孤独な存在です。  それが人間になってやっと伴侶を得たのに、仮の自分としてでないと添い遂げられない。内側にまだ自分が生きているのも恋人は知らない。  人として一緒に居られるのは幸せだけれど、一方で辛くて悔しい気持ちもあると思います。    ほんの一瞬だけでも、自分だと打ち明けられなくても、『葛城』としての自分で匠海と過ごしたい――――という想いが形をとって外に現れたら、というのが今回のお話でした。  本編の中で説明くさくなく上手に盛り込めたらいいのですが、力不足ですみません…(汗) 最終章で何とか葛城が報われる形に出来ないかなと考えております。  補足は以上になります。  作品に訪れてくださり、拙い解説までお読みくださり、本当にありがとうございました。改めて感謝申し上げます。  
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