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「なぁ……もう、むり。挿れて」
涙滲ませて見上げると、やっとゴムを手に取る。
脚押し広げられて、後ろにあてがわれた熱が入ってくると、焦らされ過ぎてそれだけで吐き出した。
「おや」
「……見んなっ」
恥ずかしくて顔逸らすと、何思ったか指でそれ掬い取る。
「は?……何やって」
「愛しいものは、口に入れたくなるものだろう?」
ぺろ、と指舐めて
「後で拭いてあげるから」
って腰掴んで沈めてくる。
「ちょっ……今、いったばっか。無理」
「ここは待ってたみたいだけど?」
「……っ……あ」
いや、と女みたいな声が出たのと、奥まで全部挿れられたのと同時だった。
違和感といえば、それが違和感。
奏人さんは、時々はそういうスイッチ入る時もあるけど、だいたいは次の日もあるし俺が疲れ過ぎないように手加減してくれる。
でも、その時は何度も何度も、俺の体が傷ついたり壊れない限りは、ってくらい抱かれて。
死ぬほど気持ちいいけど、どこか夢みたいな感覚もあった。
死んでるのか生きてるのか、ギリギリのところで快楽与えられてるみたいな。
途中からは記憶がないけど、覚えてる限り最後の方は何度も俺にキスして、言ってた。
愛している。
お前を、ずっと。
匠海――――。
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