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距離のある2人
約束は約束であった。
兄にすべてを任せ、ローマンは家を出た。
ロードアイラン公爵が用意してくれた屋敷に移り住んで、以前よりも
大きな庭園を作り、精霊のフリッズと妖精のセマニと一緒に過ごしている。
しかも変わり者のままで就寝着で生活していた。
そして仕事は自宅でできる翻訳を始めた。
世界各国の言葉をいくつも取得しているローマンに依頼は尽きない。
その仕事が一段落すると旅に出る。
あらゆる国を回って、その地の精霊や妖精たちと出会う。
妖精の少ない国へと妖精の多い国を紹介したり、精霊を酷く扱う国を
説得して法を変えて救ったりもした。
ローマンにとっては人との交流よりも精霊と妖精とのつながりのほうが
大切だった。
思いがけず自由をくれたアメローナへと感謝の気持ちが尽きない。
そのアメローナは、順調に回復していたが、別の意味では胸を痛めていた。
卵で救ってくれたローマンと、マトモに対話できていなかったのだ。
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