comes fair weather

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 結局その日、間取は徹夜で司法解剖をやらされまくった。仕事だから仕方がないと、食事に誘ってもらっていた見合い相手の弥彦警視正に、断りの連絡を入れた。  弥彦は電話口でまた今度誘うよと、残念そうな優しい口調で語る。優しくされる事など皆無な間取は、非常に悪い事をしたように感じて益々萎縮してしまう。そして、ちょっとめんどくさっと思ってしまう自分を悔いた。  「良い人を傷つけてしまった…。」  ぽつりと口に出しただけで、ぴくりと反応する黒岩の地獄耳。  「いい奴が、善人とは限らん。それにあいつが、傷なんてつくか?気にすんな。」  「え?弥彦先輩だって、なんでわかったんですか?」  「お前の相手くらい、把握してるだろうが。俺を、誰だと思ってるんだ?舐めんな警察を。」  「いや、舐めてませんけど。守秘義務ってもんが…。」  とは言え結局オールのこの日、間取に朝まで付き合って自分の仕事を続けていた黒岩が、朝方根回しして弥彦に迎えに来させて間取を家まで送らせた配慮は部下の秋山しか知らない。  「まったく、こういうところは不器用なんだよな。うちの上司は…。」  仮眠を取りに戻るという黒岩を送迎しながら、秋山はそんな死神上司が時折可愛く思えるのだった。
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