黒猫クロと幸せのベル

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 暗闇の中、白猫の光で照らされた村の入り口が見えました。  入り口にはハンナが不安な顔をして立っていました。 「クロ!」  ハンナがクロを見つけて両手を広げると、クロはハンナの胸に飛び込みました。 「クロ、クロ! 心配していたのよ。クロも幸せのベルを探してくれていたのね? 見つけてくれて、ありがとう」  ハンナはクロをなでながら、頬ずりをしました。  クロがベルをハンナに渡すと、妖精の怒った声が聞こえてきました。 「アタシのベルを返しなさい! 泥棒!」 「こいつは取り返しただけだ! 泥棒はおまえだろ!」 「黙れ、カメレオン!」  カメレオンと妖精が言い合いをしていると、ハンナが口を開きました。 「妖精さん、あなたがベルを持っていったの?」 4e9174d3-6a31-4e7d-80fe-353cdb7eb425
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