黒猫クロと幸せのベル

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 白猫一家には、黒猫が一匹だけいました。その黒猫の名前は、クロ。クロは毛が黒いため、兄弟の白猫のように、光をためることができません。兄弟が明かりの仕事に出かけるとき、いつも物陰から、みんなを眺めていました。  いいなあ……僕だけ仕事ができなくて独りぼっち。僕だってみんなみたいに白ければいっぱい照らしてたくさんお仕事するのに! 白いみんなが羨ましい。寂しい、寂しい、寂しいよ。  そんなクロを気にかけていた村の少女がいました。少女の名前はハンナ。ハンナは村長の孫娘で、いつも寂しそうにしているクロを、家に迎え入れました。 「クロ、これからはずっと一緒にいようね」  ハンナに優しく抱きしめられたクロは、今まで感じたことのない幸福感に包まれるのでした。  この日からクロはいつもハンナと一緒に行動するようになりました。b7015dc7-9044-4328-81c9-01a53a670d02
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