黒猫クロと幸せのベル

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 明日は村人たちの幸せを祈るお祭りの日です。ハンナは、お母さんと一緒に準備をしていました。お祭りの当日、村長の家ではドアに七つの幸せを象徴する小さなベルを飾る風習があるのです。ハンナのお母さんが、箱からベルをひとつずつ出していました。 「これが健康のベル、それから家族、繁栄、平和、愛、成長……あら? 友情のベルがないわ。大変! ハンナ、おじいちゃんを探して家に帰ってくるように伝えてちょうだい!」  ハンナは村長のおじいちゃんを探しに出かけました。  忙しそうなみんなの様子をじっと見ていたクロは、自分もなにか手伝いたいと思っていました。  ハンナを追いかけようとしたそのとき、クロの耳にチリンというかすかなベルの音が聞こえました。人間には聞こえない、とても小さな音です。  この音は、幸せのベルの音!  クロは家の外に飛び出し、音をたどっているうちに気がつけば村の外に出ていました。 515b77db-bbc3-4947-a780-b7969bf0705a
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