黒猫クロと幸せのベル

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 振り返って、村の入り口を眺めました。  僕がいなくなったらハンナが心配するかも……とクロは思いましたが、立ち止まっているうちに、ベルの音はどんどん遠くなっていきました。  クロは、ベルを見つけて早く帰ろう! と心に決めてベルの音を追いかけました。  あっという間に、あたりは真っ暗になりました。ベルの音を頼りに追いかけていたクロですが、音が聞こえなくなってしまい、森の中をさまよっていました。こんな暗い森をひとりで歩くのは初めてで、クロはだんだんと心細くなってしまいました。  ハンナに会いたいな……。  クロはハンナの顔を思い浮かべました。  独りぼっちの寂しさと、このままじゃベルを見つけられないかも……と不安な気持ちのクロの目に、ぽつりぽつりと白い光が見えました。兄弟の白猫たちもベルを探しにきたようです。みんなの様子を草むらから眺めていると、大きな切り株の上に、妖精がいるのを見つけました。 0d882320-3e24-42f8-9e73-c13e23a62187
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