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優しい妖精の様子に、クロも話しかけてみようと思いましたが、ふと首をかしげました。
妖精が白猫たちに教えた方向がそれぞれ違っていたからです。
おかしいなあ、なんでだろう? と考え込んでいるとクロの体になにかがぶつかりました。振り向いてみると、そこには黒いカメレオンがいました。
「うわ! なんだ、猫か。びっくりした!」
カメレオンが大きな目と大きな口を開きました。
「あんた……光らないのか。いいね、ちょっと背中を借りるよ!」
ぴょんとクロの背中にカメレオンが乗りました。
「実はさ~、白猫の光から逃げてきたんだ。おいら明るい光が苦手で! おかげであんたにぶつかっちゃった! へへっ、おいら白猫は苦手だけど、黒いあんたは好きかも」
カメレオンはにやりと笑いました。
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