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「出口は何処なんだ?」 僕は大学2年、キャンパスは都心にあり横浜の自宅まで片道90分をかけ通っていた。 今日は都心広域にゲリラ豪雨と予想され大学は2時限までで終わりam:11時に解放された。 僕は大学でゲームクリエーターを専攻しゲーム開発のプログラミングの技術や論理の基礎を学び、更に近年注目のAI技術やゲームデザインなども修得する事を目的としていた。僕の夢はゲームの世界でヒーローを創りあげる事でゲームは僕の生活の一部であった。 そして、大学が休講となったが帰宅を急がず学校周辺のゲームセンターで暇を潰した。腹が減ったのでゲームセンター内の自動販売機からホットドッグとコーラを買い昼食を済ませるとそれからゲームに没頭していた。 「畜生…また負けた…」 「え、こんなに?」 財布を覗き込むと100円玉が1枚、10円玉が2枚財布の隅にへばりついていた。 「今、何時だ?」 腕時間を見ると16時を過ぎていた。 「参ったなぁ金も無いしそろそろ帰るか?」 ゲームセンターから外に出ると、雨がかなり降っていた。 「凄い降りだ!ヤバイぞこれ以上降れば電車が停まる?」 傘がない人は走り出し駅に向かっている? 僕も傘を忘れ駅に向かって走った。 駅に着いた。どのくらい走ったのか? 履いていたスニーカーは雨水が入り歩くたびに「クチャ、クチャ…」と擬音を鳴らしていた。 そして髪は濡れ毛先から雨水が滴り落ち、着ているTシャツも濡れ身体に貼り付き少し寒気を感じた。 券売機前には雨宿りをしている若者が恨めしそうに激しく降る雨を眺めていた。 僕はプラットホームに向かうため佇む若者の中を割って入り自動改札機に定期をタッチした。 その時、駅構内の天井から滝のような大量の雨水が降ってきた。 それは豪雨によって改札口天井が破壊されたからだ。 駅員がその状況を見て雨水が流れ落ちる場所に赤のコーンを並べ注意を促していた。 しかし、滝のような雨水は勢いを増し改札口は水浸になっていた。 僕はそんな情景を見ながら横浜方面5番乗り場に向かいプラットホームに辿り着いた。 プラットホームには帰宅のため電車を待つ人でごった返していた。 「押すんじゃあねぇよ! ホームに落ちるじゃねえかよ!」 電車を待つ人はこの混雑に大声をあげパニクッていた。
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