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5.
「おや?この地下通路ってこんなんだったっけ?」
いつも通っている地下通路、しかし何故か違和感を覚えた。
それは地下通路が無機質なタイル張りで広告は貼られているがその文字?風景?が何を意味しているのかまったく理解出来ないからだ。
そして、浮き出るように出口の案内板が存在し、はじめに[1番出口→]の案内板がありその表示の矢印に向かって進んだ。
しかし、1番出口は見つからず先に進むと通路が二股になり[2番出口→]の案内板と[3番出口→]の案内板が現れた。
僕は唾を呑み込む。どちらに進めば良いのか?「どうする?どうする?」鼓動が高鳴り次第にパニック状態に陥っていた。
僕は考えること無く[3番出口→]の案内板に従った。
変わり映えの無い地下通路をどのぐらい歩いたのだろうか?
「ドッスン!」
すると突然天井からびしょ濡れの蒼白い顔をした老人が降って来たのだ。
その老人の表情は正気が感じられず、それでもすくっと立ち上がりびしょ濡れである体を引きずりながら「9番出口は何処なのか?」と呟き歩き出したのであった。
「あ、あのこの先は?」
僕はその老人に話しかけたがその老人は僕の存在が無いもののように水滴を通路に残し消えたのであった?「いったいこれって何?」僕は独り言を呟いた。
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