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娘は育てにくい子どもだった。
生まれた時からとにかく泣いて、寝ている時間なんてあるのかと疑問に思うぐらい手足をバタつかせ、ギャアギャア泣いていた。
お腹が空いたのかと思い、母乳を飲ませようと抱き上げると、余計に体をバタつかせる。
そんな姿に仕方がなくミルクに切り替えて、ベビーベッドで寝たまま哺乳瓶で飲ませていた。
だけどそれでは泣き止まずにマメにおむつを変え、あやし、音楽を付けたりしたが全て逆効果となり、結局泣き止むことは殆どなかった。
当然こっちは眠れるはずもなく、気付けば夜は明けて朝がやってくる。
その現実に絶望していると、朝起きて来た夫は一言。
「どうして泣いているんだ?」って。
知らないよ、そんなの。
私が教えて欲しいよ。
この子の気持ちなんて分かるはずがない。
「母親だろ?」、「何で分からないんだよ?」そう言われるのが一番苛つく。
「じゃあ、あなたは父親でしょう?」
そう言い返すと、「父親と母親では違う」だって。
何それ? 産んだら我が子の全てが分かっていると思ってるの?
「母親なんだから」
なんて都合のいい言葉なんだろう。
全て私に押し付けないでよ!
年中睡眠不足の私は、常にイライラしていた。
そんな怒涛の日々の中で娘は成長し、生後半年ぐらいでやっと寝るようになり、常に手足をバタつかせることもなくなった。
また、抱っこも受け入れてくれるようになり、やっと落ち着いた育児が始まると思っていたが、そうはいかなかった。
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