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「いっくん、どしたのそれ」
「ゴミ箱に捨てられてた」
「え...?誰がそんなこと...!」
「わからない、クラスの誰かだと思う」
小学校高学年。
いっくんのマイペースぶりは相変わらずだ。
帰り道に話しかけてみればその手にはいっくんの名前が書かれた汚れた巾着袋があって、俺一人があわあわとしている状況は、なんともちぐはぐだ。
「ねぇいっくん、もしかしていじめられてる...?最近他に何かされなかった?平気?大丈夫なの?大丈夫じゃないよね?」
「平気。帰ったら洗濯するし」
「...いや、そういうことじゃなくて..」
「帰る」
「え!ちょっ...、」
何をされてもいっくんは顔色ひとつ変えやしない。
そんないっくんをなぜか俺はいつも心配していて、「平気」なんて言葉は聞かなかった事にしてその後を追った。
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