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「明日は体育祭だね。いっくんはリレーに出るんだっけ」
「うん」
「俺応援してるから!頑張ってね」
「できるだけ頑張る」
あっという間に月日は過ぎて、いっくんと出会ってから6年も経っていることが急に感慨深くなる。
いっくんの俺に対する態度は相変わらずで、名前を教えたのにもかかわらず呼ばれたことは一度もない。
それでも───
「ねえ」
「...あ、うん。何?」
「君は何が得意だったの。リレーには出た?」
いっくんは度々こうして、気まぐれに俺に質問を投げかけてくる。
それに俺は、いつも嬉々として答えるんだ。
「うん、俺も中学の頃はね───」
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