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「お前が死んだところで誰も悲しまねぇだろ」
「そうだよ、いっそのこと死んじゃえよ」
「はは、笑える。何でお前生きてんの?俺なら耐えられないわ。ほんとウケる」
───....
もうすぐタイムリミットだ。
俺が何度も繰り返してきた時間。
それも今回は悪くなかったと思えるのは、ひとえにいっくんのおかげだろう。そうでしかない。
「ねえ」
「...ん、なに?どしたのいっくん」
「今日からは一緒に帰ろう」
「..えっ...なんで急にそんなこと...」
記憶を辿っていたところに掛けられた言葉に、俺は瞠目する。
その先に何を言われるのかと待っていれば、いっくんは普段と同じく俺と視線を合わせぬままぽつりと呟いた。
「なんか不安そうな顔してたから」
「...そっか。...うん、ありがと。一緒に帰る」
「明日も、明後日もね」
「はは、そうだね。そうしよう」
───...ありがとう。
いっくんに伝えたいのは、ただそれだけだ。
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