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『喜多島春子ちゃん・四歳』
二〇一×年、四月××日
×××県、籐家町北部にある公園で、母親が七分ほど目を離した隙に行方不明になる
監視カメラに一切の記録がなく、何らかの事件に巻き込まれたとみられる
犯人は監視カメラの位置を把握していた可能性が極めて高い
『柚村みこちゃん・五歳』
二〇一×年、六月×日
×××県、追根村に住む祖母の家に両親と遊びに行った際、庭先でひとり遊んでいるところ行方不明になる
家族の証言により、誰もみこちゃんのことを見ていなかった空白の時間が十分ほど存在することが発覚する
近隣に監視カメラ等はなし
『九津漣くん・四歳』
二〇一×年、八月××日
×××県、成原市の公営住宅の入り口で蹲っていたところを近隣住人に目撃されて以降、消息不明
警察の調べにより両親から慢性的なネグレクトを受けていたことが発覚し、彼らに容疑がかかったが二人には明確な証拠があったため犯行は不可能であると判断される
近隣にはいくつかの監視カメラがあったが、それらの前を通る漣くんの姿は確認されず、事件、事故の両方で捜査が進められているが、事件である可能性が有力視されている
『弓良桐奈ちゃん・七歳』
二〇一×年、九月××日
×××県、大吹山に家族でピクニックへ行った最中、家族が目を離した数分の間に行方不明になる
まだ遠くまで行ってはいないだろうと家族で二時間ほど探した後、事故及び事件を考慮した母親が警察に通報
山中で缶コーヒーを片手に休んでいた二十代男性の証言により、山の上のほうまで歩いていく桐奈ちゃんらしき女児がいたことが判明する
男性曰く、一人で山奥まで行くのは危ないと止めたが「上でお母さんたちが待ってるから急いでいる」と振り払われてしまい、そういうものかと納得してしまったとのこと
引き留めなかった自身の行動に対し非常に憔悴している様子で、任意の取り調べ後は男性の恋人だという二十代女性が迎えにきた
『糸ヶ家夕来さん・二十四歳』
二〇一×年、十月×日
恋人と河に遊びにきた際、二日前の大雨で増水した河に高所から足を滑らせ転落する
恋人はすぐさま救出に向かおうとするも、流れの速さから断念し、スマートフォンで警察を呼びながら糸ヶ家さんに声をかけ続けるが、糸ヶ家さんは反応に応じる暇もなく河の流れに飲まれ行方不明になる
その後下流で遺体が見つかるが、捜査の結果、事件性は見受けられないとの判断が下る
現在恋人は心療内科への定期通院を行っている模様
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