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渇き
かなりの恐怖。
父が闘病したとき、喉が渇いた、といつも言っていた。
恩人が入院し、施設に入ったとき、自分が飲みたいときに自分だけの力で飲み物を飲むことすら出来なくなるのだ、という状況を目の当たりにした。
元々水分をたくさんとって、トイレも近いほうだったが、パニック症と診断されてからは不安感から、喉が渇くのがより怖くてしかたなくなった。
喉が渇いてこのまま死ぬのではないか、と、その時は本気で思ってしまうのだ。そんなわけないのは頭ではわかっていても。
ふと、自分も喉が渇いても飲み物を飲めない状況になったらどうしよう、と焦燥するのだ。
ありえないことではない、と目の当たりにしてきたから、コワイのだ。
そのくせ、具合が悪くなると水を飲むことすら億劫になる。
なんとも面倒くさい生きものだと我ながら呆れてしまう。
そう、まだ、生きもの なんだよな。あたし。
まだ。
なんて考える。
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