マックロード

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マックロード

「では、私からもお願いします。先生。治療費の一億は必ずお支払いしますのでウララの手術を頼みます」  父親の高瀬も腹をくくったみたいだ。  深々と頭を下げて依頼した。 「いや、治療費なんていりませんよ。少なくとも高額な治療費なんてねえェ」  マックロードは自信たっぷりに微笑んだ。 「はァ、しかし……」 「珍しいわね。先生は名うての金の亡者なのに。フフゥン」  またラブリはマックロードを嘲り笑った。 「おいおい、別にオレは金の亡者ってワケじゃないさ。売れないアイドルたちに還元しているだけだからなァ!」   「さァ、そうかしら?」  ラブリは疑いの眼差しでマックロードを見つめた。  基本、ラブリはマックロードの言う事を信用していない。 「もしメイそっくりの顔に整形しても良いならば、むしろオレが金を払ってでも手術を担当しましょう」  マックロードも提案した。 「ううゥン」  さすがに父親の高瀬も即答できない。  腕を組んで唸ってしまった。 「わ、私からもお願いします」  しかしウララは頭を下げて依頼した。 「ううゥ、ウララ?」まだ父親の高瀬はためらっていた。 「わかりました。ですがさすがに天才外科医のオレでもウララの症状を見なければ、処置のしようがない」  マックロードは暗にウララへ包帯を解いて貰うよう命じた。 「はァ……」
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