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「先ずは、私の記憶を取り出し、冷凍保存します。
未来に私のマシンの製造方法を伝達するのは、
文字でも無くデーターでも無い、
私の持つ記憶です。」 開発者は椅子に座り、ヘッドギアを被る。
ヘッドギアには、何本ものコード。
まるで、電気椅子での処刑の様である。
皆は、固唾を呑んで見守る。 静まり返る場内。 一瞬の閃光が放たれ、場内が騒然とする中、
開発者は目覚めては来ない。
だが、死んではいない、息はしている。

色めき立つ記者達。
それを制する関係者。

「大丈夫です。今は寝ているだけす。
時間がくれば眠りから覚めます。
ここにあるのが、この開発者の記憶です。」
と、皆に見せるが、記憶は目には見えない。
缶詰が見えるだけだ。

「この、缶詰にされた記憶を今から冷凍します。」
一瞬、白い煙が上がる。
記憶が瞬間冷凍された瞬間であった。

「無事、記憶が冷凍されました。これを冷凍庫で保存します。」 不思議な光景であるが、世界初となる記憶の冷凍の成功の場面である。 全員拍手で、成功を讃えている時、開発者が目ざめる。

開発者の虚な瞳に不審気な表情。
何事が起こっているのか解らない開発者。
そう、開発者は記憶を抜き取られた為に
記憶喪失となっていたのだ。

哀れな無惨な開発者! 直ぐに点滴の用意がされ、開発者は元の記憶を取り戻す。
元気な開発者の声。
成功を喜ぶ開発者の声。

だがこの実験は、何をしていたのであろうか?
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