3人が本棚に入れています
本棚に追加
/4ページ
玉子は名古屋駅に到着した。
名古屋駅はたくさんの人集りで賑わっており、殆ど家族としか関わってこなかった玉子には刺激が強すぎた。
「どうしよう……」
玉子は人々の流れに押されるように改札口を出た。
その途端、
「君が長崎から来た子?」
と玉子に話し掛けてきたスーツ姿の若い男性がいた。
「は、はい!」
玉子は緊張しながら、その男性に頭を下げた。
「僕は山本と申します。急で申し訳ないのですが、今からある喫茶店で面接してくれませんか?なにやら人手不足なそうなので」
その男性……山本は、にこやかな笑顔をみせてそう言いながら玉子に向かって微笑んだ。
「はい!よろしくお願いします!」
玉子は山本に向かって深々と頭を下げてそう挨拶をした。
「では僕に付いて来て下さい」
山本は玉子の肩に自分の手を置くと玉子の頭をあげさせた。
そして玉子はドキドキしながら山本の後ろに付いて名古屋駅の地下街へと歩きだした。
最初のコメントを投稿しよう!