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自国自給強化
「総理、いよいよ防衛大学の応募者数が定員割れしました」
「定員割れ? そりゃおかしいじゃないか防衛大臣⁉ 君が言い始めたんじゃないの⁉ 『隊員を増員したいので新入隊員の初任給を130%昇給してくれ』って、よもやお忘れではないでしょうね?」
これらの会話は閣僚会議での総理と各大臣らの丁々発止矢先の一部を抜粋したものだが・・。
いよいよ日本列島周辺がきな臭くなってきたということで、防衛力の強化は勿論だが、これまでのようにサプライチェーンの『取引先を海外だけに頼るべからず』といった『自国自給強化の十年』と称する骨太計画を議論しているところだ。
「経産大臣、半導体工場誘致の応募国は決まったんだってね」
「ええ、何とか・・」
「なにそれ? 歯切れが悪いようですが如何しましたか?」
「・・あと人材が今一つで・・はい⁉ これまでの技術者ではナノメートルからオングストロームに追従できる者が見当たらなくって、はい・・」
なにやら難しい話のようですな。でも政府のやりたいことはニュースを耳にしていれば何となくだが分からなくも無い。
つまり世界経済のグローバル化は既に飽和状態ということですな。 それどころか何もかもがイデオロギーの違いだけで世界が分断されようとしている。力による現状変更なんかがその兆候かもしれんな。
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