8人が本棚に入れています
本棚に追加
健人の変化
『どうしよう…』
自分の気持ちに健太は戸惑っていた。
今まで、こんな気持ちに、こんな込み上げる気持ちになった事、無かった。
赤ちゃんを見たい気持ちよりも、梨花を見て逃げ出したくなった。
梨花は…、
お隣さんで、
推し活も曝け出せる大切な人で、
ずっと、ずっと、お隣さんで…、
なのに、なのに、
僕は、
赤ちゃんを見つめる、その梨花の優しい瞳に恋をした。
僕は、梨花のそばに行く事も戸惑うくらい、すごく、すごく、愛おしく思ったんだ。
なぜ、今?
自分で自分が分からない。
でも、でもね…、
赤ちゃんを見つめる梨花は、
化粧っ気の無い疲れた顔なのに、
それなのに、
それなのに、
すごく綺麗だったんだ。
混乱する頭の中を落ち着かせるように、車で20分の道のりを歩いて帰る。
『明日、病院に赤ちゃんを見に行きたいけど、梨花に会うのは怖いな。これ以上好きになりすぎたら、僕…、どうしよう…』
赤ちゃんに会いたい気持ちと、梨花への突然訪れた恋心で、健人は戸惑っていた。
最初のコメントを投稿しよう!