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健人の答え
たくさん考えて、出した答え。
僕は、
僕は、
そばで梨花を見守ろうと思った。
僕の気持ちよりも、梨花と赤ちゃんが幸せに思えるような、たくさんの時間を近くで見ていたい。
今、梨花に『好きだ』と言っても信じてもらえないだろうし、何よりも、赤ちゃんの事だけを考えたいと梨花は思ってるだろうし…。
だから、
だから、
僕は秘密の片想いをする事にした。
冷めることのない片思いだと、自覚している。
マナトへの恋心とは、ホントに違う。
軽はずみに言った『父親になる』その言葉に、イラついていた両親を思い出す。
あの頃は、こんな風に人を愛する事が、幸せであり苦しくもある事に気付かなかった。
梨花と、共に赤ちゃんの成長を見たい。
梨花が、悩んだときには、そばに居たい。
梨花を、誰よりも支えられる人でありたい。
一生を共にしたい。
でも、今は、今は、
この想いは封印しよう。
いつか、いつか、梨花が僕を一人の男として見てくれる時が来たら、子どもと3人で幸せになりたいと言おう。
でも、今は、このままで…。
健人は、一人、心の中で、覚悟を決めていた。
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