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予期せぬ言葉
中島家。
リビングには、梨花と梨花の両親の麻美と康平がソファに座り、くつろいでいた。
「ただいまぁ〜!」
咲良の元気な声が家の中に響き渡る。
リビングのドアが開き、咲良が健人に抱っこされた状態で現れた。
「おや、早かったね」
康平がにこやかに声を掛けると、
「うん!健ちゃんがね、パパになるの!」
と咲良の一言に、リビングは静まり返った。
「え?」(梨花と麻美と康平)
3人の声が揃った。
「あっ、えっと、梨花と話がしたいんだけど…」
咲良を下に下ろしながら、康平に声を掛ける健人。
康平が梨花を見ると、梨花が少し嬉しそうに、でも予期せぬ事のようで戸惑っているようにも見えた。
「…分かった。母さん、咲良連れて部屋に行こうか」
麻美にそう声をかけて、咲良を連れて部屋に戻ろうとすると、
「あっ、すみません。咲良はここに…。一緒に話を聞いてほしくて…」
真面目な顔をして健人が話すのを見て、康平は頷き、麻美と部屋を後にした。
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