救いの手

1/2
前へ
/24ページ
次へ

救いの手

「…………あれ?」  目を覚ますと、視界に映るは見覚えのない木組みの天井。あの柾目、そして香り……恐らくは檜かなと思うけど、そんなことはどうでもよくて。そんなことより……確か、あの時、意識がプツリと途切れて、そして―― 「――良かった、目が覚めたんだね」 「…………へっ?」  すると、不意に届いた柔らかな声。少し驚きつつ声の方向へ視線を向けると、そこには声音(こえ)に違わぬ柔らかな微笑を浮かべる端整な男性。……えっと、助けてくれたの、かな?
/24ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加