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サーシャと私
「――ねえ、サーシャ。今日は何にする?」
「……うーん、そうだね。質の良い野菜もたくさん手に入ったことだし、ポトフなんてどうかな?」
「うん、賛成! いまから楽しみっ」
色とりどりの風車が並ぶ、緑豊かな街の中。
鮮やかな朱に染まる空の下を、和やかなやり取りを交わし歩んでいく私達。すぐ隣にて穏やかな微笑を湛える彼はサーシャ――あの日、私を助けてくれたあの端整な男性で。
あれから、およそ七年――私は、14の歳を迎えた。
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