雪の都市の謎

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雪の都市の謎

 舞台は雪に覆われた神戸。主人公の山中アツシは冒険者であり、この街で謎を解き明かすためにやってきた。彼は1人目の勇者だ。去年まで明石にある食品会社で派遣で働いていたが派遣切りに遭った。失業給付を1年もらえる。1年間はゆっくり休養することにした。給付されてるので仕事も1日4時間までしか働けない。三宮にあるスーパーでパートしてる。サラダをパックに詰めたり、鶏を揚げたり。同じパートのユキコさんに『冒険アプリ』なるものを教えてもらった。ユキコさんは40代の女性でどことなくともさかりえに似てる。 「王様が指定した場所に行き任務をクリアすると報酬がもらえるのよ」 「面白そうですね」 「アナタ、どことなく江口洋介に似てるわね?一晩どうかしら?」  アツシはユキコと情熱的な夜を過ごした。彼女の体は豊満で抱きごたえがあった。   翌1月20日、16時に仕事を終えるとスーパー前のベンチで缶のホットコーヒーを飲みながら、ケータイをいじった。プレイストアで『冒険アプリ』を見つけダウンロードした。Free Wi-Fiじゃないので時間を食うので最寄りのコンビニに寄り、そこでやった。  ゴシック体のタイトル『冒険アプリ』が表示され、ニュープレイをタップした。  西洋の鎧兜を被った男性キャラが現れた。名前をつけるコーナーで『コウタ』とつけた。一昨年亡くなった伯父さんの名前だ。  宮殿に『コウタ』が入ると王様が手招きする。 『最近、神戸で謎の不審火が起きている。配下の調べでは魔物の仕業らしい。ソイツを倒してくれたら1000円をやろう』  プレイヤーの名前を入力したり、銀行口座を開設するコーナーに移行する。最近、友人が投資詐欺にひっかかった。ユキコが詐欺師でない確証はない。  ググって『冒険アプリ』について調べた。星の数は4。  タロウ:このゲームに出会い人生が変わった。これで子供を保育園に入れられる。  ウメコ:ここまで報酬が高いとは介護の仕事やめよっかな。グリフィンキープ、くそブラック。  グリフィンキープってのは介護施設の名前らしい。ドラクエの敵の城みたいな名前だ。    最初の目的地は神秘的な『ロマンス広場』。ここには恋人たちが集う場所として知られ、伝説によれば特別な時間になると幻想的な光景が見られるという。  神戸の西にあるロマンス広場でアツシは奇妙な足音を聞き、それが街全体に響いていることに気づく。調査を進める中で、突如現れたスキーリゾートのオーナー、カイトが、この街に伝わる古い伝説について語り始める。彼は2人目の勇者だ。伝説によれば、この街の奥深くに古代のキーマカレーの秘密が隠されているという。カイトはケイン・コスギに似ている。  アツシは謎を解くために六甲山にあるスキーリゾートへ向かうが、そこでまた異変が起きる。レールの上を怪しげな存在が動き回っており、それが何かを探しているように見える。アツシはその存在を追いかけ、スキー場の秘密を明らかにするための手がかりを得る。その存在こそが足音の主、座敷童子だったのだ。彼を大切にすると栄えるが、雑に扱うと貧乏になると伝わる。  二人は協力して、スキー場の中を探索しました。その中で、古い文献や隠し通路を見つけ、次第にスキー場に隠された謎を解いていきます。そして、彼らは真実に近づいていく中で、座敷童子とアツシの絆も深まっていきました。その後、彼らは秘密を守り抜き、スキー場に平和を取り戻しました。座敷童子はアツシに感謝し、「君は心の豊かさを持つ者だ。この地には必ずまたおいで。君の訪れを待っている」と告げました。  次にアツシは神秘的なルマンド(フランス語でアーモンドの意味)の香りが漂う古い洋館に向かう。この洋館には時空を超えるドアがあると言われ、その扉の向こうには別の世界が広がっているという。アツシはドアの秘密を探る中で、神戸の謎が解けていくことを期待する。  クエストはまだ始まったばかりであり、これから先にどんな冒険が待っているのか、アツシたちは楽しみながら探索を続けるのだった。  コウタはザコキャラを次々に剣で倒していった。倒せば倒すほど、アツシも力が漲っていった。  そう、このゲームはキャラが育つとプレイヤーも強くなる魔法のゲームなのだ。  かつてはすぐに風邪を引いていたが、周囲がコロナや溶連菌でダウンする中、アツシはピンピンしていた。最初は『バイトの分際のくせに……』とバカにしていた店長が、1人3役を引き受けたアツシを見直し、『社員にならないか?』と、声をかけてくれた。失業給付をもらえるのは今年の年末まで、それまで将来について真剣に考えないといけない。 「少し考えさせてください」と、答えた。  剣捌きも様になり、店長から『ジェミニ』って剣をもらった。ジェミニは双子座って意味がある。店長はもともとは剣道場の主だった。 「君にならこの国を助けられるやも知れぬ」  剣を渡しながら店長は言った。  パートを終えたアツシは、カイトは北野にあるうろこの館にやって来た。銀粉蝶によく似た受付のオバサンが「モンスターを倒して」と懇願してきた。 「1万円で引き受けてやる」と、アツシ。  失業給付を受けてるので許容範囲しか働けない。二重給付などがバレるとお縄になることもある。求職者には現金給付が1番安全だ。アツシはオバサンから1万もらった。 「分かった倒してやるよ」  深い闇が広がる廊下を、アツシは足早に進んでいた。彼は冒険者であり、火を操る特技を持つ戦士だ。その日、彼は友人のカイトと共に、うろこの館を探していた。  アツシとカイトは、異人館街の入り口に立ちました。周囲にはレトロな建物が立ち並び、異国情緒溢れる雰囲気が漂っています。二人はスマートフォンを手にして、位置ゲームの画面を見つめながら街を散策します。  道中、突如現れるザコキャラたちが立ちはだかります。アツシとカイトは協力して、スマートフォンの画面上で指示された位置に向かいながらザコキャラを倒していきます。カイトは機敏に動き回り、素早く攻撃を仕掛けますが、アツシは正確なタイミングで攻撃を繰り出し、ザコキャラを撃退します。  カイトは最初はもやしっ子だったがゲームの影響で筋肉隆々になった。「1000円、どっちが手に入れるかな?」と、カイト。 「もし、俺が勝っても山分けしないからな」 「アツシって守銭奴だよね」 「ひでーな」  やがて二人は、異人館街の奥深くに位置する「うろこの館」に到着します。その館は、古い洋館のような外観をしており、不思議な魅力で彩られています。扉がゆっくりと開き、中からは謎めいた雰囲気が漂っています。アツシとカイトは冒険の先に何が待っているのか興奮しながら、館の中に足を踏み入れるのでした。  突然、赤い炎が舞い上がり、猛烈な熱気がアツシの周りを包み込んだ。火系モンスター火鬼(かき)が姿を現し、アツシに襲いかかってきた。  火鬼は、将棋の駒の一つ。本将棋にはなく、天竺大将棋・大局将棋に存在する。水牛の成駒。成ることはできない。  駒を取るときは普通の取り方の他に特別な捕獲のルールがある。移動して止まった所の周囲8マスに敵の駒があれば、全て取ることができる(焼く)。また、敵の駒が火鬼の隣に移動してきたときも、その駒は焼かれてしまう。これは1手には数えない。  火鬼が火鬼の隣に移動したときは、動いた方が焼かれる。  アツシは素早くジェミニを抜き、激しい戦いが始まった。 「アツシ、やっつけちゃうぞ!」カイトの声が響く。カイトはアツシの頼れる仲間であり、氷系の魔法を得意とする魔法使いだ。  カイトは手を広げ、口の中で呪文を唱える。氷の結晶が空中に現れ、それが火鬼に向かって飛んでいく。炎は結晶に触れると一瞬にして冷気に包まれ、その場に凍りついた。  アツシはその隙をついて強烈な一撃を放ち、火鬼を倒した。息を切らせながらも、アツシはカイトに向かって感謝の言葉を口にした。 「カイト、助かったよ。あいつの炎にはかなわなかったけど、おかげで助かったよ」  カイトは微笑みながら頭を振った。 「仲間が困っているときは助けないとね。さあ、次の部屋に進もう。まだまだ冒険は続くよ」  アツシは1000円ゲットした❢  二人は力を合わせて、うろこの館の奥深くに更に進んでいった。
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